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不機嫌な男、東京を行く

2009年05月31日 16:37

 オレはnuest YUJI。世界一、不機嫌な男だ。

 今、オレは地下鉄の電車に閉じ込められている。仕事に向かう途中なのだ。

・・・息苦しい。さして混雑しているわけではない。だが、周りを囲まれてしまっているのだ。

「気にいらねえな・・・。」

 みんな手元をにらみつけ、なにやら一心不乱に指を動かしている。メールに夢中なのだ。
それも一人や二人ではない。オレの鼻先で六、七人が、携帯電話の先端をオレにつきつけている。

「・・・!」

 ものすごいプレッシャーだ。冷たい銃口にピッタリ、照準を合わされているみたいだ。

 一体、オレが何をしたというのだ?いわれのない、この状況にかすかに怒りがこみあげてきた。
スナイパーたちに目をやると、みな一様に「のぞかないでよ!!」という反応をしやがる。

 ・・・多勢に無勢、というやつだ。オレは心の中でお手上げのポーズを思い浮かべた。

「見ちゃいねえ、ああ、見ちゃいねえよ。ただ、その物騒なものをひっこめてもらいたいだけさ・・・。」

 だが、オレの願いは聞き届けられることはなかった。
金縛りに遭ったように息を殺し、体を硬直させたまま、オレは過去にも似たようなことがあったことを思い出していた・・・。
 
 同じく鼻先で、オヤジが新聞をヒラヒラ。オレはイライラ。軽く払いのけたら、無言のまま睨み合いになったこともあったっけ。
 そうそう、目一杯、足を広げて座る中年男と一触即発の状態になったことも・・・。
 
 とにかく電車の中は不機嫌の種でいっぱいだ。こんな精神衛生上よろしくない乗り物には乗りたくないが、そうも言っていられない。
 目的の駅に辿り着くのを心待ちにしながら、オレはそんなことを思っていた・・・。

 地下鉄を出たオレは、ようやく金縛りから解けた開放感と自由を噛みしめながら、外の空気を胸いっぱいに吸い込んでいた。

 ・・・と、そこへ!!
歩道を猛スピードで走り抜けるバイサイクルっ! 危ないッ!!

 危うく轢かれるところだったぜ。もし年寄りや、子供でもいたら大変なことになっていたゾ。
・・・しかし自転車が歩道を暴走するとはな。 
 そう、地下鉄はまだマシな方だったのさ。せいぜいイライラですむのだからな。
だが歩道では、物理的な身の危険を感じたぜ。歩行者は一体、どこを安心して歩けばいいってんだい?

「東京とは恐ろしい街だ・・・。まったく!!」

 他人のことを言えた義理ではないが、せめて、ほんの少しの思いやりを、ってやつさ。お互いに。
な?兄弟・・・・・。

 ブツクサ言いながら、東京の街に消えて行く不機嫌なオレだった・・・。

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